自分にとって、困った出来事が起きた時。
「なんでこうなったんだろう?」
「どうしてあんな事をしたんだろう?」
「なんで?」
などと、問題が起きた事に考えを巡らせてしまいがちですよね?
でもこれでは、最善の解決策にたどり着くことは出来ないんですよね。
また、自分以外の人に答えを求めようとしても、心の底から納得のいく解決策は得られないんですよね。
最善の解決策を知るには、自分の心に聞くのが一番なのです^^
その解決策が、例え、世間一般で言う所の真逆だったとしても。
私が実際に体験した事を書きますね。
* * *
息子が中学生の頃。
学校で、体育祭の練習中に骨折をして、救急搬送されました。
その原因が、ふざけた同級生によるものでした。
担任の先生によると、クラス全員でグラウンドの中心から、二列に整列して全速力で応援席へ移動する練習中に起きたようです。
全速力で走っている最中、息子の後ろに居た男の子(D君とします)が、ふざけ心で息子の背中をポン!と押したんだそうです。
担任の先生は、私にこう説明された後、「D君を怒っておきましたので」と言われました。
そして「今頃は、部活動の顧問の先生からも怒られていると思います。学校が終わったら、謝りに来ますので」と言われました。
その後、主治医の先生からの説明を受け、手術が必要なので即入院だと言われました。
担任の先生は学校へ戻られ、私は病室の準備が出来るまで、廊下で一人残されました。
そこでようやく、D君に対して怒りが込み上げてきたのです。
D君が来たら何て言ってやろうかと考えました。
散々怒りが湧き上がったところで、ふと思いました。
怒りをぶつけたところで、D君は心の底から反省するのかな?
もしも自分だったらどうなんだろう?
軽い気持ちでやった事が、まさかこんな大変な事になるなんて思っていなかったはず。
その状況を見て、D君が一番「大変な事をしてしまった」と気づいているはず。
それなのに、頭ごなしに怒鳴られたら、どうなんだろう?
私なら、そんなに怒鳴らなくても分かってるよ!と、逆ギレするだろうなぁ。
そうすると反省よりも、怒鳴られたことに対して腹が立って、そのことばかりに意識が向くよなぁ。
じゃあ、どんな風に言われたら、深く反省するんだろう?
「そっか!」
と、ひらめいたら、私の心はスーッと軽くなったのです。
そして、D君がやって来ました。
私の顔を見るとすぐに、泣きながら謝りました。
学校で相当怒られたのか、号泣していました。
そんなD君に私は、自分でも驚くような優しい声で言いました。
「もう泣かなくていいよ。だって、わざとじゃないんだもんね。」
それだけ言うと、D君は更に号泣しました。
* * *
D君は翌日から、退院するまで毎日病室に来ました。
それも、一人ではなく、必ず誰かを伴って。
D君だけではなく、クラスの女の子も沢山お見舞いに来てくれました。
なので、病棟の看護師さんが「毎日必ず誰かがお見舞いに来るなんて凄く珍しいです。
〇〇君(息子の名前)は人気者なんだね」と、驚かれていました。
それから15年経った今でも、D君はもちろん、クラスの子達とも定期的に会うぐらい、良好な関係が続いています。
* * *
こうして振り返ると、あの時の私の判断は最善の解決策だったな、と思います。
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